RI第2830地区 2003-04年度ガバナー Shimamura,Yoshisaku 島村 吉三久 新年明けましておめでとうございます。 2003-04年度も後半を迎えることになり、この5月には、大阪で日本では26年ぶりに国際大会が開催され、続く6月には、3年に一度開催される規定審議会がシカゴで予定されております。 100周年を目前に控えて新しい世紀のロータリー活動はどんな方向に向かうのか関心の高いところですが、変えてはならないもの−それはロータリーの原点ともいうべき職業奉仕ではないでしょうか。先月号月信で"大連宣言"に触れましたが、我々は最もよく奉仕するときに全ての会員が最も多く報われるという使命を持っていることを一人ひとりが自覚したいものです。 これは、大連クラブの古沢丈作という人が英文の「ロータリー倫理訓」を日本風に表現したものです。当時(1928年・昭和3年)のロータリアンの思想の深さを物語るものであり、戦前のロータリアンはこの論理を信奉して軍の弾圧にも屈せずロータリーを守り抜いたといわれております。残念ながらこの宣言は採択されることなく消えてしまいましたが、ロータリーの歴史を理解する上で貴重な存在といえるものと思います。 いま職業に対する倫理性が衰退しているのが現実であります。経済状況が悪い時こそ倫理性が悪化するともいわれており、大企業の不祥事があとを絶ちません。職業奉仕の高揚を前提に活動していれば、そうした企業も生き残っていたのではないでしょうか。 二宮翁夜話に「近きを謀る者は、春植えて秋実る物をも、猶遠しとして植えず、只眼前の利に迷うて、蒔かずして取り、植えずして刈り取ることのみに眼をつく、故に貧窮す」とあります。将来を計画するものは富み、目先で動くものは貧窮するということですが、翁はまた江戸時代後期に下館藩の建て直しを要請された折、負債を返済するために非生産者である藩士の2割8分の減俸を実施。農民に対しては、逆に年貢をゆるめるなどして勤労意欲を高め、新田の開発も奨励して生産性の向上を図ったといわれております。肝に銘じたいものであります。 2004年がつつがなく安らかに推移するよう「手を貸して」いただきたいと念願いたします。 |
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