「効果的なクラブ運営」

2830地区ガバナー

大柳 繁造

このテーマは、この度のPETS実行委員長さんが出されたようで、効果的の意味をどのようにとればよいのか、と思い悩みました。もともとロータリークラブは、先日の私のロータリー情報セミナーでも、タイトルが「なぜロータリーに哲学が必要か」ということで、もう一時間半くらいも喋りましたので、今日はもうこのような言葉は出ないであろうと思っていました。あの時に出席されていれば、あれだけ詳しく述べましたので、ロータリーの性格上からは、このような言葉が出ようがないと思っています。ですが、クラブ運営という点から見ますと、これは時代の趨勢からも大事なことだと思っています。したがって、今日は思想とか哲学のことでなく、いわゆるハード面での効果的な運営について触れたいと思います。 

ここに居られるのはクラブ会長,幹事さんが殆どです。皆さんは、夫々の職業の代表される立場の方々ばかりです。職業分類表という実に科学的に整理された資料に基づいて選ばれた人たちです。毎日の忙しい業務をこなしておられる訳です。その中で、毎週一回の例会に出席されているわけです。この地区では、出席率が80%の前半あたりで推移していますが、中には早退ということもあって、実際は地区平均で実質70%台の出席率になるでしょう。

私のロータリー哲学としては、「例会は職業人としての心を磨く場所、心を洗う場所」と考えています。週一回は、職業人として出席しなくてはならない場所と決めています。外国人が日曜日には、必ず教会に家族で出向いて祈りを捧げるのと似た感じです。それでは、貴方にとってロータリーは教会なのかといわれるかも知れませんが、それは違っていて会員同士の親睦を高めながら、異業種間の交流を通じて切磋琢磨しながら、お客に対するより良いサービスとは何かといったものから、より高い職業倫理のレベルアップに耳を傾けるような例会を目指そうとしています。皆さんはまず楽しい例会を目指すことを第一にしていると思います。殆どのクラブ会長・幹事さんは、そのようなことを云っていると思います。

私は公式訪問で回れまして、ある地区に行きましたら、仲良しクラブという同好会があって、これは会費も安く、同年代の仲間がいてとても楽しく、ロータリーのようなクラブとは比較にならないという話を聞かされた事があります。その方はお医者さんでしたが、ロータリーとはどのようなものであるかを少しでも認識していたら、このような言葉にならなかったものと思いました。同好会的な集まりは、世間にははいて捨てるほどあるのですが、ロータリーがロータリーしかないモノをもっていることを自覚しない会員が多いのではないでしょうか。

 入会した新会員についてのガイダンスなども、実にマンツウマンで丁寧に教えられているクラブがあるかと思うと、入会して例会30分くらい前に資料を手渡し、それで新会員の紹介を終えれば、あとは構わないといった状況のクラブであれば、これこそ何をしようとしても効果的なクラブを構成する会員は育たないでしょう。最近は、この点もよくクラブ内で見直されているようですが、新会員のみならずキャリアのある会員でも、驚くほどにロータリーの根幹を知ろうとする自覚が薄いような気がします。効果的なクラブにするためには、効果的な素地となるべき会員がいなくてはならないのです。

ロータリーは、いち足すいちのようにはいきません。三に五を投入して十になるようにと云うようなことは、いわゆる効率的といわれる事なのでしょうが、そんなことではロータリーを理解できません。大きな無駄と思われることにも繋がることもあるかもしれません、浪費だと思われることもあるでしょう。そこには自分を抑える忍耐と相手のことによく耳を傾けるという寛容の気持ちが無くてはなりません。人間各々顔形が違うように考え方からやることが違うのです。みんな夫々違ったものを一つにしなくてはならないのがロータリーでもあるのです。

会員相互の親睦と異業種交流による切磋琢磨の結果によって、それが何であるか時を経れば判ってくるはずです。これは効果的とか効率的とかいうものとは次元の異なったモノ・「哲学」があることに気がついて欲しいのです。それが専門職業人・企業経営者にとって、企業発展の中心におくべきものであることを理解できることになるでしょう。

 「効果的といわれるクラブ運営」とは、このようなことの息の長い、粘り強いクラブ内の格闘によって出来上がることになるでしょう。


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