≪外部卓話≫ 米山奨学生 ミトラ・ビジョン・クマールさん
テーマ「バングラデシュにおけるヒ素問題」  バングラデシュから参りました米山奨学生のミトラ・ビジョン・クマールです。私の世話クラブは黒石 RC です。岩手大学大学院連合農学研究科博士課程 3 年で専門は環境科学です。
(この後スライドを使いながらの説明)
バングラデシュが独立国となったのは 1971年12月16日。国土面積は 147,570 平方キロメートル、人口は 1 億 3 千万人位で日本と大体同じくらいです。人口密度は 857/km2 。貧困層は全人口の 47.5 %。幼児の道徳律は 1000 人のうち 77 人。平均寿命は 62 歳。また、バングラデシュには 230 本の川が存在し合計の長さは 2 万 4 千 140 キロメートル。バングラデシュは暑い国で、夏の気温は 21 〜 34 度、冬は 11 〜 29 度になり、年間雨量は 110 〜 340cm です。南を海(ベイオブベンガル)、他の周りはインドに囲まれている。
ヒ素の色はメタリックグレイで、毒性はゆっくり身体に影響を与える。 WHO が定める、飲料水におけるヒ素の基準値は 0.01 r /L 、しかしバングラデシュにおける地下水のヒ素の基準値は 0.05 r /L である。井戸水にヒ素が確認されたのは1993年。 1980年頃までは池や川の水をそのまま飲用していたが、疫病によりたくさんの人々が亡くなった。それを見た政府やユニセフが援助し井戸を掘り、飲料水を確保できるようになった。
しかし、その頃は井戸水にヒ素が含まれていることは分からなかった。その後、様々な原因不明の病気が発生し始めてきた。インドから医師を呼び調べたところ、ヒ素中毒の症状と判明。地中に存在するヒ素が井戸水に溶け出し、水を汚染していることがわかった。
井戸水の 49 %が WHO の定めるヒ素の基準値( 0.05 r /L )を超えており、バングラデシュの 64 地区のうち 61 地区の地下水にヒ素が含まれている。
バングラデシュは北方にヒマラヤ山脈をいただく国々、ガンジス川の河口付近に近い場所に位置している。広範囲に厚く砂層で構成された埋積層が形成しており、この地層にヒ素を多量に含んだ層が形成されていることが推測されている。これらが地下水の汚染の原因とみている。ヒマラヤ山の岩にはヒ素の成分が含まれており、溶け出したヒ素が川に流れ込み、バングラデシュまで流れてきている。また、バングラデシュと同様、インドの西ベンガルでもヒ素の汚染地帯となっている。
ヒ素の症状は、皮膚の斑点、足や手のひらの荒れ、壊疽、ガン、肺や腎臓、その他の内臓疾患など。深刻な問題になっている。(スライドでヒ素中毒患者の写真を見ながら説明。ヒ素による壊疽で手足を切断した人、ヒ素中毒で両親が亡くなり孤児になった子供たちなど)
ロータリークラブをはじめ、多くの団体がヒ素問題を解決するために貢献している。井戸水のヒ素濃度調査を行い、高濃度( 0.05 r /L 以上)の井戸には赤いペンキで塗装し、飲用には使用せず洗い物などに使われている。飲料水として安全( 0.05 r /L 以下)な井戸には緑のペンキで塗装されている。
次世代の安全のためにヒ素に汚染されていない水を確保することが必要。第 2830 地区ロータリークラブでも昨年の 4 月に調査に行き、私も同行しました。そこで井戸水の濃度を測ったところ、基準濃度を超える井戸がたくさんあった。中には基準値の 100 倍を超える( 1 r /L )井戸もあった。調査を行った村に、弘前西 RC が資金提供し作った井戸がある。これは 100m 程の深さの井戸で、安全な水の井戸。井戸掘りの費用は、 100m の深さで 5 万円程、 200 〜 300m になると 15 万〜 20 万円程掛かる。
その後、質疑応答が行われました。
(一部「バングラデシュ交流調査団報告書」より引用)
|